日本で生活習慣病が増えている原因の一つには、現代の食生活とストレスが大きく関連しています。まず、食生活の変化を考えてみましょう。戦前の日本の食事は、ご飯を中心に、魚や野菜をおかずに食べるものでした。しかし近年では欧米化が進み、肉類や脂質、糖分の多い食事が増えています。結果、摂取カロリーが過剰になる場合が増え、肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病のリスクが増しているのです。
また、共働き社会となり、仕事に追われる人が多く、日々の中でファストフードやインスタント食品に頼ることも多くなっています。これらの食品は手軽で便利ですが、栄養バランスが偏りがちです。特においしいとされるものは脂質が高く、一方でビタミンやミネラルが不足する傾向にあります。さらに、外食や市販の料理に含まれる塩分や添加物も健康に影響を与えているとされています。手軽な食品に頼りっぱなしで栄養素が偏り続ければ、病気にかかりやすくなってしまいます。
次に、ストレスの問題も生活習慣病に深く関係しています。社会構造が複雑化する現代では、個人あたりの仕事のプレッシャーや人間関係のストレスが増加しています。ストレスが食欲をコントロールする力を低下させる要因となり、ストレス解消のために過食に走る人が多くなっています。多くの人が暴飲暴食をした結果、体重も増え、生活習慣病のリスクが高まっているのです。
さらに、現代人は忙しさから運動の機会を失いがちです。デスクワークや長時間の座り仕事が増え、平日の運動不足が慢性化しています。運動は体の新陳代謝を促し、ストレスを軽減する大切な要素です。運動不足が続けば、体内の脂肪が燃焼されずに蓄積し、肥満や高血糖の原因となります。
上記のような要因が合わさり、日本全体の生活習慣病の増加につながっているのです。健康を維持するためには、バランスの良い食事とストレス管理、適度な運動が欠かせません。病気になって大変な思いをする前に、日頃から生活を見直しつつ、改善を図りましょう。