私たちの体は、ストレスを感じるとさまざまな反応を起こします。その一つがホルモンの変化です。ストレスを受けると、体内では「コルチゾール」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」といったホルモンが多く分泌されます。これらは体を緊張状態にし、エネルギーを確保しようとする働きがあります。その結果として、食欲が刺激されるのです。これがいわゆる、ストレスによる暴飲暴食です。

ストレス状況にあると、体は危機に備えようとします。生物としてエネルギーをすぐに使える状態にしておく必要があり、甘いものや高カロリーな食べ物を求める傾向があるのです。これは生存本能に基づく自然な反応ですが、現代社会では生命危機が及ぶ状況はほぼありません。そのため、ただ単に過剰な食事につながってしまっているのです。

さらに、「コルチゾール」が多く分泌されると、「セロトニン」というホルモンの分泌が低下します。セロトニンは幸せホルモンと呼ばれ、心を落ち着かせる役割を持っています。このセロトニンが不足すると、精神が落ち込み、メンタルコントロールがしづらくなります。その上、炭水化物を摂ることで一時的にセロトニンの分泌が増えて気分が良くなるため、炭水化物を欲する傾向が出てきます。こうした症状が絡み合うことで、人はついつい食べ過ぎてしまうのです。

この反応に心当たりがある方は、ぜひストレス解消の方法や食事内容を見直しましょう。これらを徹底することで、ストレスによる暴飲暴食を防ぐことができるはずです。